●ROSE 

うそつきの薔薇の香り

並木道のパラドックスの中を
ひとり歩いていく

この香りが染みついたの
朝になってもまだ

私の頬を見つめて

優しい棘
優しいまなざし
私を刺していた

部屋に広がる香り
それは嘘ではないの

優しい日差し
優しい影
私を包んでいた






 
posted by: 安田りさ | | 18:06 | comments(0) | trackbacks(0) | - |

●花畑

わたしが咲くのを待っている
そんなあなたに逢いたくて
土の中
夢をみるの

青い空や太陽の
噂をきいて
胸を躍らせ

わたしはあなたに
逢うために

生まれてきたのです

posted by: 安田りさ | | 00:33 | comments(0) | trackbacks(0) | - |

●雨曇り

誰かが呼んでいる
雨の音
誰かにささやく愛の言葉

私の指先が凍えるのを
温めてくれたのは
夢でしょうか

この世界は雲の下
明けやらぬ

この世界を包み込む
白い吐息

雨は愛の色に染まるので
この世界は明るく見えるのでしょう

 
posted by: 安田りさ | | 16:07 | comments(0) | trackbacks(0) | - |